詩・散文などの埋葬地です。時々行楽の記録もうろうろ・・

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2011-03-12 Sat 09:38
いつもやさしくしてくれてありがとう
 自らに一切縁故のない幸せを耐えうる限界まで頬袋に詰めこまれたのはつい昨日の話だが、それも初めてではない。「いつかお前の皮膚が檜皮のようになる頃、必ず役に立つ」と言って、たまに会えば額に汗してせっせと私の口に余りものの幸福を詰め込んでくれる彼らの予言によれば、ある島をぐるりと囲むように一人分の足跡のみで運命の輪が描かれる時、大いなる災いが起きる。その災厄を打ち負かすのは唯一幸福のみであり、幸せに満ち足りていない人間は、それを買うなり奪うなり譲ってもらうなりしてどうにか携えていなければならないとされている。 携えていなければどうなるのか。あいにくそれらしきものの持ち合わせがなかった私としては当然尋ねずにはいられない。彼らは神妙な顔で宣託をくれた。持たざる者は、時が来れば、老いた老木のように干乾びて死ぬか、あるいは自らが災厄の一部となる。嫌だろう、だからこれを君にくれてやるのだ、ありがたく受け取り、常時携え、有事の際には一粒ずつ舐めしゃぶって寂寥の涙とともに飲み込みなさい。…。
 私の頬を冬に備えるリスさながらに成してから、彼らは実に満足そうな面持ちで去って行った。咽喉の奥までも内容物が圧迫し、私はすぐに洗いざらい嘔吐する。詰め込まれたばかりの物のみならず、胃の中身や唾液の在庫もみんな浜辺へぶちまけてしまい、却って器の中身をからっぽにしたような気がしながら、私は吐瀉物まみれになった幸福を少しばかり拾うと、砂浜を洗う白い波となるべく平行になるよう心がけながらそれらを一列に並べた。今日までに並べた分と合わせると、今日でちょうど島半周ほどにはなる。一周する日も、そう遠くはあるまい。
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